試験・テクニック

1. ざっ と 読んで、サクサク 切り捨てる
マークシート方式の問題を解く際には「間違っているところを探す」のが基本です。
宅建試験では、紛らわしい表現を用いて受験生をまどわせる問題が多いのです。
選択肢をざっと読んで、間違っているところを探し1 箇所でも間違っている部分が
あれば、他の部分を検討しなくても誤りの選択肢と判断できます。
 また「こういうキーワードが入っていたら×」といえる、×肢の目印があります。
過去問10 年間から算出したデータが、2~10 となっています。
 
2. 「 常に~である 」 と くれば 誤り
「常に~である」「常に~できる」といった言い回しは、宅建試験でよく使われます。
このような、例外を一切認めない断定的な表現が用いられたときは誤りの可能性
が高いです。 約78%の確率で不正解の肢です。
 
3. 「 必ず~ しなければ ならない 」 と くれば 誤り
「必ず~しなければならない」 「必ず~である」もよく使用れますが、例外を一切
認めない表現なので誤りの可能性が高いです。約84%の確率で不正解の肢です。
 
4. 「 すべて~である 」 と くれば 誤り
約75%の 確率で 不正解の 肢です。
 
5. 「 直ちに~ しなければ ならない 」 と くれば 誤り
法律の世界では、何らかの猶予期間が設けられていることが多いので 「直ちに~
しなければならない 」 「 直ちに~できる 」 と いった 言い回しは 馴染みません。
約92%の 確率で 不正解の肢です。
 
6. 「 ~ことはない 」 「 余地はない 」 と くれば 誤り
「~ことはない」「~する方法はない」「余地はない」といった例外を一切認めないもの
は誤りであることが多いです。約87%の確率で不正解の肢です。
 
7. 「 ~ ことがある 」 と くれば 正しい
例外を認めない場合の逆パターンです。約88%の確率で正解の肢です。
 
8. 「 ~ に限って、 ~ する 」 と くれば 誤り
言い回しは、誤りの選択肢です。約75%の確率で不正解の肢です。
 
9. 「 ~なので ~である 」 と くれば 誤り
「こういう理由があるので、こうなる」「こういう理由があるので、こうなることはない」
という形式の選択肢は、約87%の確率で不正解の肢です。
 
10. 「 有無に かかわらず ~できる 」 と くれば 誤り
これも例外を一切認めない表現なので誤りです。 現時点では 100% 不正解の肢と
なっています。
 
11. ( ) の 中は 間違ってない
( )の中は解答に影響のないことが書かれている場合が多いです。過去に3回誤り
の肢として出題されましたが、ほぼ間違っていることはありません。
 
12. 二択で 迷ったときは こう 攻める
1つ目 「他の問題と 仲間はずれの 選択肢」 は 選ばないことです。
約 77%の 確率で 不正解の 肢になっています。
2つめ目は 「 常識的な判断 」で 選択肢を 絞り込むことです。

H25年 1:民法の条文 2:未成年者

【問1】 民法の条文
次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
 
1.
意思表示に法律行為の要素の錯誤があった場合は、表意者は、その意思表示を
取り消すことができる旨
2.
贈与者は、贈与の目的である物又は権利の瑕疵又は不存在を知りながら受贈者
に告げなかった場合は、その物又は権利の瑕疵又は不存在の責任を負う旨
3.
売買契約の目的物に隠れた瑕疵がある場合には、買主はその程度に応じて代金
の減額を請求することができる旨
4.
多数の相手方との契約の締結を予定してあらかじめ準備される契約条項の総体
であって、それらの契約の内容を画一的に定めることを目的とするものを、約款と
定義する旨
 
【解説】
1・・・規定されていない
錯誤の場合、後で取消しができるのではなく、その意思表示自体、無効です!
つまり、「錯誤は取消すことができる」と民法では規定規定されていません。 
 
2・・・規定されている
これは贈与の話ですね。 例えば、建物を無償であげた場合の話です。
もし、建物に瑕疵(欠陥)があった場合、原則、贈与者(あげる側)は瑕疵担保責任
負いません。ただし、瑕疵(欠陥)を知っていて、その欠陥を受贈者(もらう側)に告げ
なかった場合は、責任を追及されます。(民法551条1項そのものです)
 
3・・・規定されていない
これはの「売主の担保責任」の話です。 売買契約の目的物に隠れた瑕疵がある場合
民法では、買主が売主に対して主張できるのは契約の解除損害賠償請求の2種類
のみです(民法570条、566条)
 
4・・・規定されていない
本肢は約款の定義の内容です。そもそも約款民法で規定されていません
 
【感想】
この問題は、4は初出題で分からないかもしれませんが、2が正しいことは基本事項
なので、答えは導けます。 解けないといけない問題!

【問2】 未成年者
未成年者に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいもの
どれか。
 
1.
父母とまだ意思疎通することができない乳児は、不動産を所有することができない。
2.
営業を許可された未成年者が、その営業のための商品を仕入れる売買契約を有効
に締結するには、父母双方がいる場合、父母のどちらか一方の同意が必要である。
3.
男は18歳に、女は16歳になれば婚姻することができるが、父母双方がいる場合には
、必ず父母双方の同意が必要である。
4.
Aが死亡し、Aの妻Bと嫡出でない未成年の子CとDが相続人となった場合に、CとD
の親権者である母EがCとDを代理してBとの間で遺産分割協議を行っても、有効な
追認がない限り無効である。
 
【解説】
1・・・誤り
「乳児」ということは、意思無能力者です。 意思無能力者の法律行為は無効です。
つまり、乳児が万一 不動産を買います! と、言っても、それは無効なわけです。
本肢はこのことを言っていません。 不動産を所有することはできるかどうかです。
生まれた時点で権利能力の獲得します。つまり不動産を所有することはできます。 
 
2・・・誤り
未成年者の場合、法定代理人から営業許可を得ていれば、法定代理人同意なく
単独で契約ができます。
 
3・・・誤り
男は18歳に、女は16歳になれば、婚姻をすることができます。
ただし、未成年(20歳未満)の時に婚姻する場合には、父母の同意が必要です。
この同意は、父母一方だけの同意で構いません。
本肢は「必ず父母双方の同意が必要」となっているので、誤りです。
 
4・・・正しい
B(妻)―― A ――― E 婚姻関係にない女
           |
          ――
         |  |
         C   D

C と Dの親権者:E  本肢は遺産分割協議を Eが Cと Dの代わりに ( 代理して )
行うと 書いてあります。
C と D の双方に代理するわけなので、親権者 Eが Cを 可愛がっている場合
「 Cに 100万円、Dに 0円 」 ということも可能になってしまいます。 つまり、
Cを有利にすればDが不利になり、Dを有利にすればCが不利になるわけです。
これを利益相反と言います。 つまり、一方が不利益を被る場合があるのでこの
代理行為はC,Dに効果は及びません。 ただし、C,Dが追認すれば、もちろん
有効です。 双方代理と考えれば分かりやすいですよね!
 
【感想】 3は初出題かもしれませんが、その他は解けるはず!